しずおかフィナンシャルグループ

2025.04

未来世代を彩る金融経済教育の取り組み

特別対談

「お金」の学びを
次の世代へ

img frameimg frame
img

お金に関する正しい知識と
リテラシーの習得を目的に、
地域の将来を担う「未来世代」から高齢者まで、
幅広い世代に取り組んでいる金融経済教育。
この日は、富士市内にある富士中央小学校の
5年生3クラスを対象に静岡銀行の講師による
「お金について学ぶ」授業が行われました。
令和を生きる子どもたちが
「お金」にどんな
意識を持っているのか、また授業を通じて
どのような変化があったかなどを、
5年2組担任の村瀬先生と授業を担当した
静岡銀行の児玉が対談しました。

PROFILE

村瀬 優香先生富士中央小学校
5年2組担任
お金の授業を担当
児玉 千夏
静岡銀行
富士エリア

スマホ世代ならではの
お金に対する
“軽さ”に
問題意識は持っていました

先生から見て今の子ども達の「お金」に対する意識は変わってきていると思いますか。

村瀬先生

そう思いますね。いまの生徒たちは、親世代がすでにキャッシュレス社会に慣れ親しんでいることもあって、現代の生活には自然にキャッシュレスが浸透していて。特に、スマートフォンを持っている生徒は非常に多くて、日常的にスマホを活用しているのが当たり前の状況です。
なのでゲームに課金をしたり、電子決済アプリにお金を入れるといったことが、彼らの生活の中で一般的な行動になっているんですね。こういった話題は、生徒同士の会話でも頻繁に出てきたりしています。

この時代に学校の中で金融教育を行う必要性や、課題感などはお持ちだったのでしょうか。

村瀬先生

ありますね。特に5年生ぐらいだと、自分でお金を使いたいと思う機会が増えてくるので、親からもらったお年玉やお小遣いをどう使うか、そういった場面でお金に対する意識が少しずつ芽生えてくる時期だと思います。長期休み前なんかには、お年玉の使い方やお金の使い方について一緒に話すことがあるんですが、やっぱり「いくら使った!」とか「課金した!」というような話もよく出てきますね。

児玉

あと、今の時代だとどうしても「お金」そのものの実体が見えにくくなっていますよね。現金を使う機会が減って、スマホやカードでの支払いが増えているので、目に見える形のお金のやり取りが少なくなってきていて。
そうすると、実際にお金が手元にある感覚が薄れて、数字で管理するような感覚になりがちです。これが、お金の大切さや使い方について考えるうえで、少し難しくなっている部分でもあると思います。

村瀬先生

そうですね。普段触れるものや時代の進化、そしてさまざまな影響が重なって、お金の価値自体がだんだん軽くなってきているように感じます。
特に、便利になった電子決済やキャッシュレスの普及などで、お金の感覚が数字やデジタルで管理されることが増えて、実際に手に取るお金の重みを感じにくくなっています。
そうなると、いわゆる「1円の重み」のようなことを実感するのが難しくなってきているのではないかという問題意識はありましたね。

未来世代の学生に正しい
お金の知識とリテラシーを
身につけてもらうために

しずおかフィナンシャルグループがこうした授業を行うに至ったのはどういった背景なのでしょうか。

児玉

現役でお仕事をされている方々はもちろんですが、特に未来を担う子どもたちには、お金に対する意識やリテラシーをしっかりと身につけて、より良い生活を送っていってほしいという思いがあります。
そのため、子どもたちが今後社会でうまくお金を扱い、賢く生きていけるようにサポートしたいと思い、セミナーや授業を各学校や機関で実施することに至りました。

普段の授業の中では「お金の授業」のような内容はあるのでしょうか。

村瀬先生

はい、授業の一環としてですが、家庭科の授業では生活に必要な基礎的な知識や技術を学ぶことが多いので、お金に関するテーマもその一部として取り入れています。

児玉

上手なお買い物の仕方、のような内容は教科書でも取り上げているんですよね。

村瀬先生

そうなんです。ただ、1時間を使ってじっくりとお話しするという形にはなかなかできていなかったんですね。時間が限られている中で、内容をしっかり伝えるのは難しくて、どうしても深く掘り下げることができなかった部分もありました。
なので、こういった機会に金融に携わる方から実際お話していただけるのは、本当に貴重で、すごくありがたいと感じました。

具体的な授業の内容やポイントなどはどのように決めていったのでしょうか。

児玉

色々なニーズに対応できるように、お金の価値や、お金の使い方、お金を稼ぐということなど、様々なプログラムを用意しています。それをベースに、学校側の窓口の先生にお見せしながら進めています。その際、先ほどお話しした教科書の内容とも照らし合わせて、どの部分を特にハイライトしたいか、どこをもっと簡潔にまとめたいかなど、先生方からの要望をしっかりと取り入れながら作成しています。
こうすることで、授業内容がより実際の教育現場に即したものとなり、生徒たちにとっても分かりやすく、役立つものになるよう心掛けています。

村瀬先生

お話の中にも出ている「お金の価値」という部分、やはりそこが重点的に伝わるようなものにしたい、という思いはありました。

児玉

そうですね。なので、各エリアや各学校ごとに、その場所や学校の特性に合わせて毎回オリジナルの資料や内容を作成し、授業に臨んでいます。同じテーマでも、地域や学校によって生徒たちの関心やニーズが異なるので、それに合わせた内容にすることで、より効果的に学んでもらえるよう工夫しています。
こうすることで、生徒一人一人にとって、より身近で理解しやすい授業を提供できると考えています。

ふだんとは違う「お金」の
視点をじっくり考える機会

実際に今日、授業を行ってみて生徒さんの反応などはいかがでしたか。

村瀬先生

みんなすごく真剣に聞いていました!(笑)やっぱり、普段から身近な担任の先生から話を聞くのと、こうして金融に携わる方に直接お話しいただくのでは、生徒一人一人の反応や集中度が全然違うなと感じました。
どこか特別な感じがするのか、みんな食い入るように集中して聞いてくれていた印象です。やはり、専門的な知識や経験を持った方から直接学ぶことに対して、すごく関心を持ってくれたのではないかなと思います。

児玉

振り返りのアンケートを見ても、今の自分のお金に対する考え方について「こういう考え方はよくない」と感じ、将来のために「今後はこう変えたい」としっかり書いてくれている子もいましたよね。
自分の考えを見直し、改善しようとする姿勢が見られて、
すごく嬉しく思いました。こうした自己反省や前向きな気づきが、今後の成長に大きく繋がると思いますし、実際に行動に移していってくれるといいなと思います。

村瀬先生

そうですね。しっかり時間をとって学ぶことができて、すごく今の子どもたちにとって役立ったんじゃないかと思います。
新しい視点や知識を取り入れることで、子どもたちが今後の生活や考え方に活かせる部分がたくさんあったんじゃないかと。

児玉

授業の中でも、「自分はこう思う」というような反応がたくさんありました。普段、お金について考える機会自体は身近にあるものの、今回の授業ではそれとは少し違う観点から考える機会を作れたのではないかと思います。
普段の生活では意識しにくい部分や新しい視点でお金の大切さや使い方について考えることができたので、子どもたちにとって貴重な学びの時間になったのではないかと思います。

今後の展望などがあればお聞かせください。

村瀬先生

小学生のうちからこうしてお金について考える機会を広く設けておくことは、将来的に生徒自身の就職先などの将来設計にも深く関わってくると思うんです。お金に対する理解を早い段階で深めることで、将来の仕事選びや生活設計に役立つ基盤が作られますよね。
今のうちから学ぶことで、いち消費者としての責任感や計画性を身につけていってほしいですね。お金をどう使うか、どう管理するかを考えることは、将来に向けての大切なスキルとなりますから。

児玉

村瀬先生のおっしゃる通り、学校という場所ではある程度決まったカリキュラムの中で知識を得ることが多いと思うんですが、今からお金について考える機会を増やすことで、今後も自分ごととして置き換えて考えられる力が身についていくのではないかと思います。
お金に関する意識や考え方を早い段階で育むことが、将来の生活に大きな影響を与えると思います。私たちとしても、こうした活動をどんどん広げていき、子どもたちがより多くの場面でお金について深く考えられるような機会を提供していきたいと考えています。

closing imageclosing image

SUMMARY